どのようにして真偽を見分けるか。人間にはだれにも、ある程度の美術眼というものは備わっている。多少とも日本刀を研究したものは真偽の判断が早いのは当然だが、経験のない人でも、いいものとニセものは直感が働いて無意識にわかるものです。私のところに鑑定を頼みに来るがほとんど名品を持ってこない。これは素人でもにせ物ではなかろうかとピンとくるものがあるから鑑定を依頼するのだろう。

  • 錆びのひどい刀に銘品はない。いかに趣味がない人といえども、家の宝をそう容易に錆びさせないのは人情というものでであろう。
  • 刀の見どころは刀それ自体のほかにハバキ鑑定がある。金着二重の良いハバキが着せてあるものは刀身もよろしい。名品はやはり外装も良いものを使うのは一つの常識である。
  • 古刀には新々刀の刀身を用いた偽物が多い。これは新々等はおおむね古刀を掟のとおり写しているからである。研究の進んだものは地鉄をみるが、初心者は姿と焼刃を第一に見るからまどわされる。

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